予約システムと順番待ちの違い|飲食店の選び方と併用のコツ

「予約を受けるべきか、当日の順番待ちだけでよいか」。行列ができ始めたお店や、予約の無断キャンセルに困っているお店でよく出る悩みです。
この記事は、飲食店の店主・店長に向けて、予約システムと順番待ち(当日の受付)の違い と、お店に合う受け方の選び方をまとめました。結論からいうと、滞在が長い店は予約、回転が速い店は順番待ちが中心 に向き、両方のお客様がいる店は 予約と順番待ちを併用 するのが現実的です。併用するときの枠の分け方と、掲示の見本も紹介します。
予約と順番待ちの違いは「決まるもの」
予約も順番待ちも、お客様を席に案内するための受付です。いちばんの違いは、前もって何が決まるか です。

- 予約:お客様が前もって来店する日時と席を決めます。電話やネット予約で受け、予約台帳や予約システムで管理します
- 順番待ち:当日に来たお客様を受付の順に並べ、席が空いたら順番に呼びます。受付表や整理券、順番待ちシステムで管理します
「予約システム」と「順番待ちシステム」は、名前は似ていても扱うものが違います。予約システムは日時と席の管理、順番待ちシステムは当日の受付から呼び出しまでの管理が中心です。製品によっては両方の機能を持つものもあります。
予約と順番待ち、それぞれの良い点と気をつける点
どちらが優れているかではなく、お店の営業の仕方に合うかどうかで選びます。それぞれの良い点と、運用で気をつける点は次のとおりです。
予約の良い点と気をつける点
予約の良い点は、前日までに席の埋まり方が分かる ことです。仕込みの量やスタッフの人数を前もって決められ、お客様も時間どおりに来れば待たずに済みます。
気をつけたいのは、無断キャンセル(ノーショー)です。連絡なく来なかった予約の席は、その時間に空いたままになります。
無断キャンセルは、悪意よりも「忘れていた」ことで起きることが多いようです。株式会社TableCheck が飲食店を予約したことがある 20〜50 代の 1,101 名に聞いた 2018 年 12 月の調査では、無断キャンセルの理由として「とりあえず場所確保のために予約した」と「予約していることをうっかり忘れた」がともに 37.4% で最も多く挙がりました(株式会社TableCheck「第2回『飲食店の無断キャンセルに関する消費者意識調査』を実施」)。予約を受けるなら、前日に確認の連絡を入れる、キャンセルの連絡先とルールを予約の時点で伝える、といった手当てをセットにします。
予約には、ほかにも次のような手間があります。
- 電話の予約受付に、営業中のスタッフの手が取られる
- 予約の時間に遅れたお客様の席をどうするか、決めておく必要がある
- 予約で席が埋まると、当日ふらっと来たお客様を断ることになる
順番待ちの良い点と気をつける点
順番待ちの良い点は、お客様が前もって申し込まなくても来店できる ことです。来なかったお客様がいても、次の組を呼べば席は埋まるので、無断キャンセルで席が空いたままになることはありません。
気をつけたいのは、混む時間の待ちです。
- 入口に列ができ、近隣やほかのお客様の通行の邪魔になることがある
- 待ち時間の目安が分からないと、お客様が不安になって帰ってしまう
- 呼んでも来ないお客様を探す手間がかかる
待ちの列や待ち時間への対策は、飲食店の行列対策ガイドで全体像をまとめています。
お店の条件で受け方を選ぶ
予約と順番待ちのどちらが合うかは、お店の条件で決まります。次の図で、当てはまる行が多い受け方から考えてみてください。

判断に使う条件は、次の 4 つです。
条件 | 予約が向く | 順番待ちが向く |
|---|---|---|
1 組の滞在時間 | 長い(コース料理・宴会・会食) | 短い(ラーメン・定食・カフェ) |
来店のきっかけ | 日にちを決めて来る(記念日・接待・団体) | 近くを通って寄る・思い立って来る |
席の種類 | 個室・大人数の席が多い | カウンター・少人数の席が多い |
準備 | 料理の仕込みを人数で決めたい | 当日の来店に合わせて回せる |
1 つのお店でも、時間帯で条件が変わることがあります。たとえば「夜は会食の予約が多いが、昼は近くの会社員が短い時間で食べに来る」お店なら、夜は予約、昼は順番待ちが合います。このように両方のお客様がいる場合は、次の節の併用を考えます。
予約と順番待ちを併用するときの運用
予約と順番待ちを併用すると、予約で売上の見通しを立てながら、予約しないお客様も逃さずに受けられます。ただし、運用を決めずに始めると「席はあるのに案内できない」「後から来た人が先に入った」という混乱が起きます。決めておくことは 3 つです。
1 予約で受ける席と当日の席を分ける
すべての席を予約で受けると、予約の間に空く短い時間に当日のお客様を案内しにくくなります。予約を受ける席と、予約を取らない当日の席を前もって分けておくと、受付の判断が速くなります。
- 席で分ける:個室・テーブル席は予約、カウンターは当日の席にする
- 時間で分ける:夜は予約、昼のピークは予約を受けずに順番待ちにする
- 数で分ける:予約で受ける組数の上限を決め、残りを当日の席にする
予約の間に空く時間に当日のお客様を案内するときは、「◯時からご予約が入っているので、◯時までのご利用になります」と案内の時点で伝えておきます。
2 予約の時間を過ぎたときのルールを決める
予約のお客様が遅れたとき、席をいつまで空けておくかを決めておきます。「ご連絡なく 15 分を過ぎたら、順番待ちのお客様を先に案内する」のように時間を決め、予約を受けるときと店頭の両方で伝えます。時間は、お店の滞在時間と待ちの長さに合わせて決めてください。
3 待っているお客様に順番のルールを伝える
順番待ちのお客様から見ると、後から来た予約のお客様が先に席に着くことになります。ルールを知らないと、不公平に感じられてクレームにつながります。受付のそばに掲示し、受付のときにも「ご予約のお客様が先にご案内となる場合があります」と一言添えます。
掲示の見本を用意しました。時間(15 分)は、お店に合わせて書き換えてください。

コピーして使えるように、文面も載せておきます。
ご予約のお客様と順番待ちのお客様
ご予約のお客様は、ご予約の時間にお席へご案内します。順番待ちのお客様は、受付の順にお呼びします。
ご予約の方が先にご案内となる場合があります。
ご予約のお時間を過ぎた場合
ご連絡なく 15 分を過ぎた場合は、お席を順番待ちの方にご案内することがあります。遅れる場合はお電話ください。
それでも「後から来た人が先に入った」と言われたときの対応は、待ち時間のクレーム対応で場面別に紹介しています。
システムを選ぶときの考え方
予約と順番待ちを仕組みにするときは、1 つのシステムで両方を扱うか、別々の仕組みを組み合わせるか を決めます。
- 1 つのシステムで両方を扱う:予約の状況と当日の待ちを同じ画面で見られる。予約の機能を中心に選ぶことになるので、今の予約の受け方を変えることになる場合がある
- 別々の仕組みを組み合わせる:予約は今の予約台帳やネット予約のまま、当日の順番待ちだけを仕組みにする。今の予約の運用を変えずに始められる
予約の運用がすでに回っていて、困っているのが当日の待ちだけなら、まず順番待ちだけを仕組みにするのが始めやすい方法です。順番待ちシステムどうしの比べ方は、順番待ちシステムの比較でまとめています。
当日の順番待ちを仕組みにするなら
アソベルは、当日の順番待ちの受付と呼び出しを任せられる順番待ちシステムです。お客様は店頭のタブレットで自分で受付し、QR コード付きの整理券を受け取ります。整理券の QR コードから、あと何組か・待ち時間の目安をスマホで確かめられます。

スタッフは管理画面で、待っている組の人数と受付時の質問への回答(テーブルかカウンターかなど)を見ながら、空いた席に合う組を呼び出せます。順番の入れ替えや、混雑時の受付の一時停止もワンタップでできるので、予約のお客様を案内する時間帯の調整にも使えます。
受付と整理券の発行、呼び出し・順番の管理は無料プランから使えます。メール・プッシュ通知・LINE での呼び出しの通知はスタンダードプランの機能です。機能の詳細はアソベル「機能紹介」、プランごとの機能と料金は「料金プラン」をご覧ください。
まとめ
- 予約は来店する「日時」を、順番待ちは当日の「順番」を決める受付で、扱うものが違う
- 予約は席の見通しが立つ代わりに無断キャンセルが、順番待ちは申し込みが要らない代わりに混む時間の待ちが課題になる
- 滞在が長い店は予約、回転が速い店は順番待ちが中心に向き、両方のお客様がいる店は併用する
- 併用するときは、予約で受ける席と当日の席の分け方、遅れたときのルール、順番の伝え方の 3 つを決めて掲示する
- 予約の運用が回っているなら、まず当日の順番待ちだけを仕組みにすると始めやすい
アソベルは無料プランから試せます。まずは当日の順番待ちの受付と呼び出しを、タブレットに任せてみてください。
よくあるご質問
Q予約システムと順番待ちシステムは、何が違うのですか?
予約システムは、お客様が前もって来店する日時と席を決めておく仕組みです。順番待ちシステムは、当日に来店したお客様を受付順に並べ、席が空いたら順番に呼び出す仕組みです。予約は「日時」、順番待ちは「順番」を決めるもので、予約はお客様が時間どおりに来れば待たずに済み、順番待ちは前もっての申し込みが要らない代わりに混む時間は待つことになります。
Q予約と順番待ちを併用すると、お客様から不満が出ませんか?
順番待ちのお客様から見ると、後から来た予約のお客様が先に席に着くため、ルールを知らないと不公平に感じられます。受付のそばに「ご予約のお客様はご予約の時間にご案内します」と掲示し、受付の時点でも口頭で伝えておくと、誤解を防げます。予約のお客様が遅れたときに席をどう扱うかも、あわせて決めて掲示しておきます。
Q予約なしで来たお客様は、どう受け付ければよいですか?
当日に空いている席があればそのまま案内し、満席のときは順番待ちとして受け付けます。予約で埋まっている時間帯でも、予約と予約の間に空く席や、予約を取らない当日枠の席に順番に案内できます。満席の時間が長い店は、名前と人数を書いてもらう受付表か、整理券を発券する順番待ちの仕組みを用意しておくと、入口での案内が楽になります。
この記事を書いた人
在間 理樹合同会社Y.G.Tクリエイト 代表
合同会社Y.G.Tクリエイト代表社員。飲食店向けの順番待ち整理券サービス「アソベル」の運営統括責任者。慶應義塾大学経済学部を卒業後、アビームコンサルティング株式会社で業務アプリケーション開発と業務運用改善プロジェクトのPMOに従事。2024年からゲーム開発を始め、16th Unity Awards、ニコ生自作ゲームフェス敢闘賞を受賞。業務改善とゲーム開発の経験をもとに、待ち時間を楽しめるお店の仕組みづくりに取り組んでいる。


